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スカーレット牝系&ジャングルポケット産駒のダイワファルコン

 福島記念はダイワファルコンが快勝し、念願の重賞初制覇となった。

 この牝系にとっても、祖母スカーレットブーケ、母ダイワルージュに続く母仔3代JRA重賞制覇。これは意外と例が少なく、近年で思い浮かぶのはローズキングダム、ルーラーシップ、パドトロワ、アブソリュート、フィーユドゥレーヴ&オウケンサクラ、アグネスフライト&アグネスタキオン、ダイイチルビーくらいだろうか(他にもいたら教えてください)。牧場関係者にとっては誇るべき快挙であると思う。


 このスカーレットインク系は今年もソリタリーキングが重賞ウイナーの仲間入り。ダイワメジャー産駒が絶好調で、ダイワスカーレットの仔ダイワレーヌも近々デビューするようだし、今後さらに、この血統の広がりは増していくだろう。


 父ジャングルポケットにとっても、昨年の天皇賞・秋(トーセンジョーダン)以来のJRA重賞制覇。しかし、5年続いているJRAG1は今年未勝利。実はこの記録、ステイゴールド、アグネスタキオン、キングカメハメハ、クロフネ、マンハッタンカフェ、フジキセキ、ノーザンテーストなどの種牡馬でも達成したことのないこと。6年続ければ父トニービンを超えることになるだけに、年末までちょっと気にしておきたい。

author:南原文洋, category:中央, 21:40
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フジキセキ考

 サダムパテックがマイルCSを勝った。同馬にとっては悲願の初G1制覇ということになり、フジキセキ産駒にとっては7頭目のJRAG1勝ち馬、海外・地方含めて9頭目のG1勝ち馬となる。



 フジキセキは朝日杯3歳S-G1、弥生賞-G2を勝って4戦4勝で引退。2歳チャンピオンとなり、成績からは早熟性を感じさせるが、母の父は仏ダービー馬Le Fabuleuxという配合で、Mill Reefと同牝系。無事なら3冠候補として見られていたし、種牡馬としてもクラシックタイプの仔を出すと期待していた人も多いだろう。


 ところが、産駒の多くは古馬完成型のマイラーやスプリンター。桜花賞や皐月賞がイメージしやすい種牡馬だったと思うが、連対馬こそ複数いるものの、両レースの勝ち馬は無し。今のところ2歳〜3歳のG1勝利はダノンシャンティによるNHKマイルCのみである。古馬の芝2000m級の重賞勝ちも、ユメノシルシの新潟記念-G3、ゴールデンダリアの新潟大賞典-G3くらいで、2000m以上の古馬G1で馬券になったのはドリームパスポートによるジャパンC2着のみだ。


 母の父Le FabuleuxはBMSとしてLe Glorieux、Manila、Unbridled、ステートリードンなどを出し、競走馬としても種牡馬としても産駒にスタミナを伝える役割を果たしたと思うが、フジキセキは例外的存在と言えるだろう。


 例えばキンシャサノキセキなどは母の父がPleasant Colonyで、配合を見たらステイヤーのそれだが、高松宮記念2連覇という一流スプリンターの成績を残した。


 フジキセキがなぜ短距離向きの種牡馬になったか、血統的な結論づけはなかなかできにくく、私としては“突然変異の例外”と結論付けてしまいたい。血統の世界にはこういうこともある。例えば、名マイラーであったサッカーボーイがステイヤーを多く出したり、中距離タイプの父サクラユタカオーにステイヤー牝系のサクラバクシンオーが生粋のスプリンターになったりしたのが代表的な例と言えるだろう。


 こういうタイプは、後継種牡馬も予想外の傾向を見せることもありそうで、キンシャサノキセキからステイヤーが出る可能性も十分だし、カネヒキリから芝馬が出ることもがあるかもしれない。すでにダイタクリーヴァが産駒を送り出しているが、マーメイドSを勝ったブライティアパルスはまだしも、ダイヤモンドS2着のステイヤー・ベルウッドローツェはちょっと意外性を感じさせる産駒と言えるだろう。


 思えば、フジキセキは父サンデーサイレンスが健在の時期に種牡馬生活をスタートさせており、他のSS系に比べ不運なこともあった。しかし、JRA通算勝利は1300近くとなり、内国産史上最高という素晴らしい記録を樹立した。もし父系は残らなくても、日本のサラブレッドの血統に長い間残っていくことであろう。残した功績は偉大なものである。


 近年は種付けを休んでいるようだが、2歳馬にはタマモベストプレイやメイケイペガスターのように楽しみな馬もいるし、1歳馬も100頭以上がスタンバイ。クラシックホースが出ることを期待したい。

author:南原文洋, category:中央, 21:36
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新馬戦勝ち馬分析(3)

 新馬戦開始の3週目。サンデーサイレンス系は新種牡馬ブラックタイドとゴールドヘイローの2頭と、全体的に見ても地味なイメージの馬が多く勝ち上がった。


 ディープインパクトの全兄で、私も注目の新種牡馬ブラックタイドがエフティチャーミーで産駒初勝利。半姉にカシマフラワー(エーデルワイス賞-交流GIII、父ヘクタープロテクター)、ヒサクィーン(1戦1勝、父アグネスタキオン)がいる。母がフェアジャッジメント×ノーザンアンサーと、あまり良質な血を持っているわけではないので、大物感は感じない。ただ、母の産駒はサンデーサイレンス系だと2頭とはいえ新馬戦勝率100%。ヒサクィーンもなかなかの快速馬だったので、母は非凡なポテンシャルを秘めている。


 クロフネ産駒が好調で、現在、全体のリーディングでも自己最高の3位。今年はカレンチャンとホエールキャプチャがGI勝ち。昨年以降、この2頭しか重賞を勝っておらず、牡馬の重賞勝ち馬はフサイチリシャール以来出ていない状況でこのポジションにいるというのは、以下にコンスタントに勝ち馬を出しているかの証拠だ。


 さて、今週勝ち上がった2頭ウエスタンソーレ(母の父エルコンドルパサー)とジーブラック(母の父アグネスタキオン)どちらもサンデーサイレンスとMr.Prospectorを併せ持つ無難な形になっている。どちらもコンスタントに走る牝系で、配合も悪くないので、今後も活躍できそうだ。


 エーシントップは2歳馬初の外国産馬の勝ち馬。半兄にGeneral Quarters(ブルーグラスS-米G1)がいる。父はA.P.Indy系のSky MesaからTale of the Catに変わったが、父系にStorm Catを持ち、Mr.Prospectorクロスを持つのは共通。母の父Unbridled's Songは近年のトレンドであるUnbridled系で、累代配合はDanzig×Round Table×Bold Rulerと名種牡馬揃い。牝系はManilaやターゴワイスなど活躍馬多数だ。父Tale of the CatはGio Ponti(アーリントンミリオン-米G1)など芝ダート問わない活躍馬も出しており、同じ父系のエーシンフォワードなどより、配合的には高い評価を与えたい。Tale of the Catの日本における代表産駒になる可能性は極めて高い。


 カシノピカチュウは名前のイメージとは異なり、Storm Cat系のスタチューオブリバティに母系もBelong to Me×Silver Hawk×Arts and Lettersと、良質のスピードとスタミナ血脈がバランス良く入っている。牝系は、かなり遡るとはいえ米3冠馬Assaultや名馬Man o'Warが出た名門。大物が出てもおかしくない母馬だ。Mr.Prospectorもサンデーサイレンスも持たないので、いずれはそういった父系の種牡馬を付けてもらいたい。1歳はメイショウバトラー、0歳はタイキシャトルのようだが、私だったらネオユニヴァースのようなスタミナ血脈を持つサンデーサイレンス種牡馬を付けたいところだ。

author:南原文洋, category:中央, 11:20
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