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ディープインパクト産駒研究/2012-2013POG

 POG馬選びも佳境に入ってきたので、ディープインパクト産駒の配合を研究してみた。対象サンプルは重賞ウイナー16頭。この馬たちの配合から、ディープインパクト産駒の“走る配合”を見つけたい。重賞ウイナーの配合とその特徴をまとめてみたので、下記画像をご覧頂きたい。



 活躍馬の大きな特徴として、16頭中14頭がNorthern Dancer保有馬で、11頭が母の父Northern Dancer系。母の父Acatenangoで異系といえるワールドエースも、祖母の父Be My GuestからNorthern Dancerの血をクロスさせている。ちなみに保有していない2頭・リアルインパクトとダノンバラードには、Raise a NativeとIn Realityを併せ持つという共通点があった。“母の父はNorthern Dancer系”というのが確実性の高い選択だ。


 しかし、ディープインパクト産駒活躍馬の母の父は、いわゆるBMSリーディング上位に位置するような馬は少ない。5月13日現在のBMSリーディングを、非SS系上位10頭を上げると以下のようになる。

◆BMSリーディング(非SS上位10頭)
2位ブライアンズタイム
3位トニービン
4位ノーザンテースト
6位フォーティナイナー
7位Storm Cat
9位エルコンドルパサー
10位Machiavellian
11位アフリート
12位デインヒル
13位メジロマックイーン


 この中でディープインパクト産駒の重賞ウイナーが出ているのはノーザンテーストとMachiavellianの2頭のみ。“サンデーサイレンス系種牡馬の相手”として多くの人が考えるであろうブライアンズタイム、トニービンからは1頭も重賞ウイナーが出ていないのだ。


 ちなみにトニービンにはNHKマイルC2着のコティリオンがいるが、15頭出走してオープン級はこの1頭のみ。エアグルーヴ、エアトゥーレ、グレースアドマイヤといった名繁殖牝馬が相手でも、一流馬は出せていない。


 ここで、ディープインパクト産駒の重賞勝ち馬が5代内に持たない血を並べてみよう。


◆重賞ウイナーに入っていない主な血脈
トニービン
ブライアンズタイム
フォーティナイナー
エンドスウィープ
デインヒル
パーソロン
Roberto
Kingmambo
Seattle Slew
Princely Gift
Ribot


 驚きのデータと言えるのではないだろうか。まだ2世代とはいえ、16頭という決して少なくないサンプルで、これだけの主流血脈が、“この血があるディープインパクト産駒は重賞を勝てない”ということになるのだ。


 トニービン、ブライアンズタイムはもちろん、Roberto、Seattle Slew、Princely Gift、パーソロンあたりまで含まれるとなると、日本で代々続いている牝系の多くがアウトとなる。


 仏1000ギニーを制したBeauty ParlourはStorm Cat、Roberto、Princely Giftを持っているが、馬場の違いなどもあり例外的存在とする。


 もちろん、まだ2世代のデータからこの傾向を決めつけるつもりはないが、これらの“相性の悪い血”という傾向で残っていくものもあるだろうから、これらの血は少し敬遠して考えてみても良いだろう。


 逆に、相性の良い血を見ると、4頭いるNureyev、Balladeなどが目立ち、クロスを見ると、Northern Dancerは別格として、HaloとLyphardが4頭ずつというデータが残っている。


 Haloクロスというのはディープインパクト産駒に限らず、近年のサンデーサイレンス系種牡馬の多くに見られた傾向だが、Lyphardクロスは過去に成功例が少なかった。これはディープインパクト産駒の大きな特徴と言って良い。Lyphardクロスは積極的に獲っていきたいところだ。


 上記傾向から、今年の2歳馬117頭の中で、配合的にマイナス材料がなく、かつ強調材料を持つ馬をピックアップしたら15頭に絞られた。ゴールドアリュールの下で評判も良い母ニキーヤも含まれた。


◆配合的にオススメのディープインパクト産駒
ラグジャリークラスの2010
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010100515/
オルゲイユ
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010101618/
バイザスポーツの2010
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010103857/
アンブリッジローズ
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010104095/
ローズマンブリッジ
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010104127/
バランセラの2010
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010104242/
フェアディールの2010
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010104260/
ペンカナプリンセスの2010
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010104291/
インナーアージ
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010104322/
ローゼンガルテン
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010104368/
ニキーヤの2010
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010104549/
エイシンリンデンの2010
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010104898/
スノースタイルの2010
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010102459/
ウィキウィキの2010
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010104042/
レディトゥプリーズの2010
http://premium.netkeiba.com/db/horse/ped/2010103997/


 この中からさらに絞るとすれば、Ballade含むHaloクロスでDanzig、Nijinsky、Alydarなど他の血も揃っているエイシンリンデンの2010、LyphardクロスでNureyevも持つペンカナプリンセスの2010の2頭を挙げておこう。後者の全兄ダノンジェラートは2戦1勝で、いずれも上がり3F33秒台の脚を見せるなど素質の片鱗を見せている。


 以上、ディープインパクト産駒の配合のポイントをまとめておくと、以下のようになる。


◆ディープインパクト産駒・配合のポイント
1.母の父はNorthern Dancer系が基本。異系すぎるのは×
2.トニービン、Roberto、Seattle Slew、Princely Giftらはマイナス
3.HaloとLyphardのクロスが○
4.Ballade、Nureyevの相性良い。
5.配合からのオススメは母エイシンリンデン、母ペンカナプリンセスの2頭


 最後に、私の基本的スタンスというか注意書きを述べておくと、このような傾向があるからと言って、“トニービン持ちのディープ産駒は走らないから指名しない”とか言うつもりはないし、この傾向をずっと貫くつもりもない。


 ただ、「2世代の傾向ではこんなのが出たから、これに従ってみたほうが当たりを引く可能性は高いよ」くらいのものである。自分自身のPOG指名馬には、今回挙げたマイナス要素を持つ馬もいる。ディープインパクト産駒は、今後数々の逆ニックスを覆していく存在だと思うから。血統、配合とはそういうものなのだ。


 来年、同じ分析をしたらガラッと傾向が変わることもあるだろう。そうなればなるほど、ディープインパクトが素晴らしい種牡馬であるということである。ディープインパクト産駒の2歳馬には、“こんな配合でも走るのか!”などと感心させるような、新たな可能性を見せて欲しい。

author:南原文洋, category:POG, 16:42
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