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Unbridledの波が来た

 先週日曜日の中山は、メインの中山記念をフェデラリスト、新馬戦をアンアヴェンジドが勝ち、エンパイアメーカー産駒の活躍が非常に目立った。


 筆者はこの結果について、単に“エンパイアメーカー凄いな”だけでなく、“ついにUnbridledの波が日本にも来たか”という感想を持った。筆者は以前からUnbridled系に注目しており、早く日本でも発展して欲しいと思っていたのだ。


 Unbridledといえば、米国で大勢力を築いている系統で、BirdstoneやUnbridled's Songなどで既に多くの枝葉を広げているが、日本ではそれほど繁栄していない血統だ。


 なぜ日本では繁栄していないかというと、米国がこの血脈を大事にするあまり、良い馬が入ってきにくいというのが大きな理由のひとつと思われる。


 米国のA.P.Indy然り、欧州のGreen Desert然り、デインヒル然り、あちらの“旬の血統”というのはなかなか良い馬が流失しないもの。さすがにA.P.Indyやデインヒルなどは飽和状態になってきており、最近は徐々に導入されているが、ピークの時期には入って来にくいので、ブームが遅れ気味にやってきたり、ピークを過ぎて、結局日本では不発に終わることもある。


 例えば、Unbridledの父の父であるMr.Prospectorなどもその例の一つ。初期産駒のConquistador Cieloが1982年に活躍を見せるなど早い時期から活躍馬を出していたが、日本での重賞勝ち馬は1991年スワンSのケイエスミラクル(父Stutz Blackhawk)まで時間がかかった。


 Unbridled系も日本では全くダメというわけではなく、以下のようにこれまでに5頭ほどの重賞勝ち馬が出ているが、GIを勝つような大物はまだ出していない。


◆Unbridled系の重賞勝ち馬(JRA+ダートグレード競走)
Unbridled(c.1987)
 Grindstone(c.1993)
 |エコルプレイス(c.2000)グランシャリオC(交流GIII)
 Unbridled's Song(牡 1993)
 |ラヴェリータ(f.2006)関東オークス-JpnIIなど
 レッドチリペッパー (f.1996)富士S-GIII、中山牝馬S-GIII
 レディバラード (f.1997)TCK女王杯-交流GIII、クイーン賞-交流GIII
 エンパイアメーカー(c.2000)
  フェデラリスト(2007)中山記念-GII、中山金杯-GIII


 しかし、フェデラリストの鮮やかな勝利はGIを予感されるものであったし、母ダンスパートナーという良血から、種牡馬入りの可能性も非常に高まった。この勝利を期に、“Unbridled熱”が一気に高まりそうである。


 タイミングの良いことに、エンパイアメーカーは輸入され、昨年から新ひだか町の日本軽種馬協会静内種馬場で繋養されている。また、その産駒バトルプランも輸入され、こちらも同様に昨年から日本での種付けを開始している。


 この時期の産駒の活躍というのはまさにタイムリーで、繁殖牝馬の質もかなり高くなりそうで、ダンスパートナーと同様の配合になるサンデーサイレンス牝馬も集まるだろう。


 筆者の個人的見解としては、エンパイアメーカーよりも、その産駒で母が米2歳チャンピオンFlandersで、Seeking the GoldやStorm Birdといったスピード血脈豊富なバトルプランのほうが確実なタイプと思っていただけに、ここ最近のエンパイアメーカー直仔の動きを見ていると、その期待がさらに膨らむばかりである。


 エンパイアメーカーの本邦初年度産駒のデビューは2014年になってしまうので、現2歳のUnbridled系で面白そうな馬を探してみた。


 ラヴェリータの活躍のおかげかUnbridled's Song産駒が既に7頭ほど血統登録されており、その中にはノースヒルズマネジメントの前田幸治がキーンランドセプテンバーセールにて38万5000ドルで購入したというFolklore(BCジュヴェナイルフィリーズ-米G1)の牝馬もいる。この馬はFappiano3×4、Incantationの牝馬クロス4×5など面白いクロスを持っており興味深い。競走馬としてはもちろん、繁殖牝馬としての価値は相当なものだろう。


 筆者がPOGで1頭選ぶとすればOonagh Maccoolの2010か。母の父Giant's CausewayのRahyからHaloを注入してAllegedなどスタミナ血脈もなかなか。芝で走るのはこういったタイプだろう。東京サラブレッドクラブの所属馬で、藤沢和雄厩舎に入るようだ。


 ちょっと話題が多方面に飛躍した感もあるが、いずれにせよ、Unbridled血脈が今後日本で発展していくのを楽しみに見守りたい。

author:南原文洋, category:-, 03:11
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