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フジキセキ考

 サダムパテックがマイルCSを勝った。同馬にとっては悲願の初G1制覇ということになり、フジキセキ産駒にとっては7頭目のJRAG1勝ち馬、海外・地方含めて9頭目のG1勝ち馬となる。



 フジキセキは朝日杯3歳S-G1、弥生賞-G2を勝って4戦4勝で引退。2歳チャンピオンとなり、成績からは早熟性を感じさせるが、母の父は仏ダービー馬Le Fabuleuxという配合で、Mill Reefと同牝系。無事なら3冠候補として見られていたし、種牡馬としてもクラシックタイプの仔を出すと期待していた人も多いだろう。


 ところが、産駒の多くは古馬完成型のマイラーやスプリンター。桜花賞や皐月賞がイメージしやすい種牡馬だったと思うが、連対馬こそ複数いるものの、両レースの勝ち馬は無し。今のところ2歳〜3歳のG1勝利はダノンシャンティによるNHKマイルCのみである。古馬の芝2000m級の重賞勝ちも、ユメノシルシの新潟記念-G3、ゴールデンダリアの新潟大賞典-G3くらいで、2000m以上の古馬G1で馬券になったのはドリームパスポートによるジャパンC2着のみだ。


 母の父Le FabuleuxはBMSとしてLe Glorieux、Manila、Unbridled、ステートリードンなどを出し、競走馬としても種牡馬としても産駒にスタミナを伝える役割を果たしたと思うが、フジキセキは例外的存在と言えるだろう。


 例えばキンシャサノキセキなどは母の父がPleasant Colonyで、配合を見たらステイヤーのそれだが、高松宮記念2連覇という一流スプリンターの成績を残した。


 フジキセキがなぜ短距離向きの種牡馬になったか、血統的な結論づけはなかなかできにくく、私としては“突然変異の例外”と結論付けてしまいたい。血統の世界にはこういうこともある。例えば、名マイラーであったサッカーボーイがステイヤーを多く出したり、中距離タイプの父サクラユタカオーにステイヤー牝系のサクラバクシンオーが生粋のスプリンターになったりしたのが代表的な例と言えるだろう。


 こういうタイプは、後継種牡馬も予想外の傾向を見せることもありそうで、キンシャサノキセキからステイヤーが出る可能性も十分だし、カネヒキリから芝馬が出ることもがあるかもしれない。すでにダイタクリーヴァが産駒を送り出しているが、マーメイドSを勝ったブライティアパルスはまだしも、ダイヤモンドS2着のステイヤー・ベルウッドローツェはちょっと意外性を感じさせる産駒と言えるだろう。


 思えば、フジキセキは父サンデーサイレンスが健在の時期に種牡馬生活をスタートさせており、他のSS系に比べ不運なこともあった。しかし、JRA通算勝利は1300近くとなり、内国産史上最高という素晴らしい記録を樹立した。もし父系は残らなくても、日本のサラブレッドの血統に長い間残っていくことであろう。残した功績は偉大なものである。


 近年は種付けを休んでいるようだが、2歳馬にはタマモベストプレイやメイケイペガスターのように楽しみな馬もいるし、1歳馬も100頭以上がスタンバイ。クラシックホースが出ることを期待したい。

author:南原文洋, category:中央, 21:36
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