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名繁殖牝馬ワンダーヘリテージ

 ちょっと前の話になるが、東海S(GII)を勝ったワンダーアキュート。これで重賞3勝目になるのだが、その母ワンダーヘリテージは重賞5勝のワンダースピードも出している。2頭の重賞勝ち馬を出す繁殖牝馬というのはもちろん優秀なのだが、ワンダーヘリテージの種付相手を改めて見てみるとそ
の優秀さがよくわかる。


 ワンダーアキュートの父カリズマティックはJRA平地重賞勝ち馬がワンダーアキュートだけで、ワンダースピードの父キンググローリアスは、かつてはコンスタントに活躍馬を出す優良種牡馬だったものの、近年は目立った活躍がなく、ワンダースピードの08年アンタレスS(GIII)勝ちはマックスキャンドゥによる98年4歳牝馬特別・東(GII)以来10年ぶりのものだったのだ。


 いずれも、現在“旬”とは言えない種牡馬で重賞8勝。これは明らかに、ワンダーヘリテージの繁殖牝馬の資質によるものであろう。


 ワンダーヘリテージ自身は日本で走り、2戦したがダート短距離で8.4秒、7.7秒というかなりの大差で殿負け。競走能力を示すことは出来なかった。牝系を見てみると、それほど良血というわけでもなく、5代母の子孫にロージズインメイ(ドバイワールドC-首G1)がいる程度。母の父Petrone、祖母の父Grand Centralもほとんど実績のない種牡馬だ。よくぞこんな成績&血統の繁殖牝馬が重賞勝ち馬を2頭も出せたものだと、感心してしまう。


 こうなると血統屋としては考えてしまうのが、“ワンダーヘリテージに何をつけるべきか”ということ。地味な種牡馬で結果を出している牝馬に名種牡馬をつけるというのはサラブレッドの歴史上何度も試みられてきて、そう単純にはいかないもので“机上の空論”となってしまいがちだが、そんな“たられば”を語るのが楽しいものだ。


 ワンダーヘリテージの歴代の産駒を見てみると、まず気づくのが“サンデーサイレンス系がいない”ということ。繁殖入り以来、不受胎含め12頭の種牡馬に付けられているが、1度たりとも種付けされたことはないのだ。ここはこのご時世、サンデーサイレンス系を避けては通れないと言うことで、カネヒキリはどうだろう。兄はダートで活躍。フジキセキ×Pleasant Colony系はキンシャサノキセキで実績もある。クロスはWild Risk5×5と問題ない。ちょっと重めの母系に、Deputy MinisterやMr.Prospectorのスピード血脈が入るのもプラスに働くだろう。


カネヒキリ×ワンダーヘリテージ



 次は母の父Pleasant Tapからのアプローチ。Pleasant Tapの父Pleasant Colonyは母の父として成功しており、前述のキンシャサノキセキほか、Pleasant Home(BCディスタフ、父Seeking the Gold)、Forestry(キングスビショップS、父Storm Cat)、Summer Colony(パーソナルエンスンS、父Summer Squall)、Cash Run(BCジュヴェナイルフィリーズ、父Seeking the Gold)、Urbane(アシュランドS、父Citidancer)、Farda Amiga(ケンタッキーオークス、父Broad Brush)、Marsh Side(ノーザンダンサーターフS、父Gone West)などの活躍馬を出している。傾向からすると、Mr.Prospector系かStorm Bird系が良いようだ。ワンダーアキュートと同じSummer Squall系の組み合わせでSummer Colonyという活躍馬も出ていた。


 Mr.Prospectorで考えると、キングカメハメハの名前が浮かぶが、リーディング級を選択しても面白味はないので、ダート適性を考えてサウスヴィグラスというのはどうだろう。トーホウドルチェ、ラブミーチャン、ジーエスライカーなどの活躍馬はいずれも母系にRibotを持っている。また、兄たちは中距離タイプだけに、この父ならスプリント〜マイル戦線という新味を出せるかもしれない。相性バッチリの相手ではないかと思う。


サウスヴィグラス×ワンダーヘリテージ




 以上、勝手にワンダーヘリテージの相手を考えてしまったが、偶然でもいいからこの配合が実現してくれれば嬉しい。ちなみに、ワンダーヘリテージの09年産はストラヴィンスキーの牡、10年産はアルデバランIIの牝、11年戦はケイムホームの牡馬とのこと。ケイムホームはMarsh Sideと同じGone West系でもあり、この馬は期待できそうだ。

author:南原文洋, category:中央, 23:19
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