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チヨダマサコ牝系、ホエールキャプチャにより新たなステージへ

 ヴィクトリアマイルはホエールキャプチャが勝利。昨年のクラシックで惜敗が続いたこともあり、“悲願のGI制覇”という取り上げられ方が多いが、この勝利は生産者の千代田牧場にとっても、格別なものであっただろう。

 ホエールキャプチャの4代母はチヨダマサコ。同馬は1987年天皇賞・秋などGI3勝のニッポーテイオー、1987年エリザベス女王杯を制したタレンティドガールの母で、千代田牧場の屋台骨を支えてきた牝系の祖であり、スターロッチ、シラオキなどと並ぶ、日本の名牝系の一つだ。


 
 特に、ホエールキャプチャの3代母でもあるタレンティドガールは繁殖牝馬として大きな期待がかけられ、サンデーサイレンス、ノーザンテースト、ダンシングブレーヴ、フォーティナイナー、ブライアンズタイムなど多くの名種牡馬や、さらに欧州に渡りNashwanやソヴィエトスターが種付けされたこともあった。


ホエールキャプチャ牝系図


 直仔の活躍馬は、5勝を挙げセントライト記念(GII)などで3着に入ったシンコウシングラー(1993、父サンデーサイレンス)が筆頭で、大物輩出はならなかったが、6頭の繁殖牝馬を残し、それが今回のGI制覇に繋がったのだ。何より、Nashwanを付けて生まれたエミネントガールからGI馬が出たことに大きな意義がある。


 チヨダマサコの牝系としては、1988年5月15日にニッポーテイオーが制した安田記念以来、24年ぶりのGI制覇。千代田牧場生産馬も、2002年阪神ジュベナイルフィリーズのピースオブワールド以来10年ぶりのGI勝利となった。


 チヨダマサコの牝系は、ホエールキャプチャ以外にも近年の活躍馬が多数出ている。タレンティドガールの孫世代になるエーシンホワイティ(2007、サクラバクシンオー)は2010年のファルコンS(GIII)を制し、今年も春雷S(OP)を勝つなど活躍中。2009年阪神ジュベナイルフィリーズで3着したベストクルーズ(2007、クロフネ)、2007年フェアリーS(GIII)を制したルルパンブルー(2005、ジャングルポケット)、2007年新潟ジャンプS(JGIII)を勝ったミヤビペルセウス(2000、バブルガムフェロー)、今年のマーガレットS(OP)を勝ったシゲルスダチ(2009、クロフネ)など、特にここ5年くらいの活躍馬が目立つ。徐々にランクアップしてきており、久々のGI制覇も時間の問題という雰囲気だったのだ。


 チヨダマサコの牝系で目立つ特徴が、父クロフネ。ホエールキャプチャ、ベストクルーズ、シゲルスダチなど現役の活躍馬の多くがクロフネ産駒で、ホエールキャプチャの母グローバルピースには、ホエールキャプチャの一つ上の兄ドリームセーリング以降4年続けてクロフネが付けられている。


 クラフティワイフ牝系におけるトニービンなど、繁殖牝馬レベルにとどまらず、牝系全体と相性の良い血というものは存在するもので、チヨダマサコ牝系にとっては、クロフネというニックス種牡馬を探し当てられたことは非常に大きく、今後もこの配合で多くの活躍馬を出しそうだ。


 そして、ホエールキャプチャを基礎牝馬として、新たなチヨダマサコ系の発展が広がっていくことだろう。そしていつか、“ホエールキャプチャ系”という新たなくくりで呼ばれる日が来ることを楽しみにしたい。


 最後に、配合的に興味深い馬に触れておこう。この牝系のキモはやはりNashwanの血で、これを活かす配合が好ましい。ディープインパクトとも同牝系なのでそういった配合が考えられるが、ホエールキャプチャの母グローバルピースはサンデーサイレンス産駒なのでちょっと難しく、他に探してみたらナイキステイブルの2011という馬が見つかった。同馬は、ホワイトマズル×エミネントガールの母ナイキステイブルに、ディープインパクトの全兄ブラックタイドが父。ディープインパクト産駒で実績の出ているLyphardクロスで、Highclere4×5のクロスも発生している。かなり気になる配合で、そのデビューが今から楽しみだ。

author:南原文洋, category:中央, 16:19
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